2008年11月03日
ナエインフルエンザ
蒼くて丸い地球を眺めながらフワフワと気持ちよく平泳ぎで泳いでた
ら急に
ズドドドドーン!と真っ逆さまに落ちてゆく
迫り来る地面に叩き付けられる瞬間
ガバッと目が覚めた
夢の外でも宇宙服を着てるみたいで体が重い
脳みそはまだ宇宙空間をフワフワと漂っていて
冷や汗と鼻水が止まらない
またしても風邪をひいてしまった
「みなみなさまのおかげさまで。せぇがぁわぁねぇいこでございます。」
布団の中で風邪を引いた時にしかできない瀬川瑛子のモノマネをして
どっかに飛んでいった脳みそを呼び戻し身支度を始める
かぁおぉを洗いまして。ふぁを磨きまして。じゃぁわぁあを浴びまして。
せぇがぁわぁねぇいこでございます。
別に山瀬まみでも黒柳徹子でも
鼻が詰まっている人なら誰でも良かったんだけど
チャンネルが瀬川瑛子に合ってしまったようだ
窓の外はどしゃ降りの雨で車で出勤しようかもう少し様子を見て
歩いて行けそうならそうしようかと止むのを待った
「どすこい!どすこい!どすこい!」
ボブとの朝稽古を済ませてちゃんこ食べてたら
雨もピタリと止んでいたので今しかないとボブと急いで家を出た
ぐずついた空模様
どんよりと灰色の雲とピカピカの太陽が喧嘩して遠くで雷が鳴っている
水たまりに向かっていくボブを「ハイドウ、ハイドウ」と操りながら
急ぎ足でコンビニを目指した
店の前の公衆電話にボブをくくり付けて店内に入った
「いらっしゃいませー」
何て味気のない棒読みの「いらっしゃいませ」なんだろうか
こっちだって朝は弱いし風邪ひいて重たい体を
似てないモノマネで押して押して
騙し騙し明るく努めて来たんだよ
味のしみ込んでない冷たいこんにゃくを投げつけられたようで気分が萎える
そんな「いらっしゃいませ」を聞いたとき僕はナエナエマンに変身するのだ!
トォウ!
コーヒーと気になる野菜とユンケルと塩おにぎりとクリームパンをもってレジへ行くと
大学生位の兄ちゃんがレジに入る
「おにぎり温めますか?」
「いいですよ」
ナエナエマンは猫舌なのだ
「あとジャンボフランクも一つ下さい」
ピッ
¥170
ジャンボフランクが¥20値上がりしている
昨日まで¥150だったのにあぁぁ萎える
「お会計¥11#$ゴニョゴニョ」
風邪をひいてるせいか?何言ってるかサッパリわからん
「はい?」
って聞き直したら
「チッ!¥11#$ゴニョゴニョ」
舌打ちだけはハッキリ聞こえたがサッパリ
こいつーもう許さん
ナエナエチョーップ!
ズビシィィィィ
人差し指を突き指してしまった
萎えるな!ナエナエマン
くっそー
ナエナエキーック!
グキッ
今度は小指をカウンターの角にぶつけてしまった
ナエナエマンは黒の全身タイツに裸足なのだ
悶え苦しむナエナエマンは塩をかけられたナメクジみたいに
シュワシュワと泡になって消えてなくなった
レジ前で要らぬ妄想をしていた僕に
人差し指でカチカチカチと催促するレジのお兄ちゃんに
きっちりと支払いを済ませ冷たい床をペタペタと店を出ようとしたら
なんともまぁコクの無い薄い「ありがとうございました」
を背中に受けて
ガラスの向こうにいるボブに目をやると
こっちに向かって吠えまくっている
熱くてコクのある吠えだ!
もう大丈夫だよとボブのリードをほどいて行こうとするけど
「ヴゥーワンワン」
コンビニに向かって低い声で唸り動こうとしない
ボブも店員に怒っているのか?と思い
「もう行くよー」
とリードを引くとガラスに飛び込む勢いでさらに吠える
ボブの目線の先をよーく見ると
ガラスに張り付いたハエに向かって吠えていた
可笑しくて笑い転げそうでしたけど
あぁそう言う事なのね
ナエナエマンはハエに向かって吠えまくっていたんだね
(店員がハエって言ってる訳じゃなくて小さな事に目くじら立ててた)
と
ちっぽけな自分に萎えてしまった
「あどねぇ、ぼくねぇ、おすもうさんにだりだいの」
ボブとじゃれて遊んでいるうちに
チャンネルがバナナマンの子供の頃の貴乃花に変わってた
今日は変なテンションだ
早くお家に帰ってゆっくりと休もう
Posted by necohair at 14:38│Comments(0)