ボクボブ

「おつかれパーンチ」

最後の仕事をやっつけて休む間もなく

「おさんぽキッーク」

今夜も散歩と戦わなければ

ヒーローとはこんなにもハードで孤独なものなのか？

しかし世界平和のためにも戦わなくては

オレがしなくて誰がする

夜の散歩は

寒いし寂しいしbob写真撮っても見えないし・・・

でも静かで星も見えるしbobも喜んでるしいいか

とブーブー言いながら歩いてると

暗闇から蛍光オレンヂの帽子がこっちに向かってくる

あっおじさんだ

３ヶ月位前からたまに公園で会い

世間話やいい散歩道はないか情報交換

４０代半ば位でとても気さくなおじさん

耳は聞こえないらしく言葉も発する事は出来ない

なので筆談

４〜５分どうのこうのああだこうだして

最後にbobと遊んでバイバイ

昔お客さんにも同じように障害をもった人がいて

カウンセリングから

好きな芸能人や好きな服好きな女の子

全部筆談で

文字では伝えにくいニュアンス

ノリだけで喋り言葉を知らない自分

もっと勉強しなくては伝わらない

もっと書かなければ伝わらないと痛感しました

（今も痛感してます）

雨はザーザー降って風はピューピュー

なににでも音は付いてる

音の無い映画

音の無い花火

音の無いおなら

音のない世界どうなんだろうか？

いくら耳を塞いでもどこからともなく

頭のなかで音が声が聞こえてくる

塞げば塞ぐほど聞こえてくる

「ボブ!　ごはん！　おいで！」

何度呼んでもぴくりとも動かない

大きな耳で聞こえてないふりは可愛くない

さては

昨日遊びに来てたうるるの事で頭がいっぱいか

なにを言っても聞こえないか