絶対に負けられない戦いがそこにある
147戦145敗2引き分け
船 VS オレ
未だ白星が無い
完全に負け越しているのだ
船乗りでもない私が今まで100回以上も船酔いはおかしい?
年に1回乗るか乗らないかであるが
私は見ただけで酔ってしまうし見なくても酔ってしまうのである
海は大好きだけど港は大嫌いだ
コーヒー牛乳は好きだけど牛乳は大嫌いなのである
港に停まっている船
使わない時は陸に揚げてもいいんじゃないでしょうか?
もしくは水中に沈めててもいいんじゃないか?
港もスッキリ見えるし僕も船酔いなんてしなくて済む
何でプカプカと浮かべているんでしょうかね?
プカプカしていいのはアヒルちゃんとおでんの玉子だけでしょ!
出港する時に浮かべればいいのにね
プカプカ浮かんだ船を見てるだけで
胸がむかむかしてグラグラ脳がゆれてしまう
「タイタニック」も「パイレーツ」も酔った
それだけじゃない
天気予報の波の高さが1m〜2mならまだいいが
3mを超えたのを見ると画面に向かって「ウエッ」
となってしまう
3と3の倍数じゃなくても「ウエッ」
こうして船酔いの事を書いている今でも酔っています
ホントに「ウエーッ」
今回1泊2日でおばーの住んでる「粟国島」へ行く事に
去年飛行機で行こうとしたら
ボブは鼻がぺちゃんこなので乗せる事ができないと断られたので
今回ボブだけ船に乗せて自分は飛行機に乗ろうか迷うが
ボブが可哀想なので我慢して一緒に船に乗る事に
今まではイメージトレーニングで失敗してきたので
1週間前から天気予報も見ずに
体調を整えできるだけ船に乗る事は考えずに
前日寝る前に「酔い止めの薬」を一本飲んで
船に乗る20分前にもう一本飲んで
最高のコンディションで望んだが油断は禁物である
酔いは移る。
もらいゲ○なんてのも今まであったので
私だけが万全でもダメなので
ボブにも酔い止めを飲ませた(ペット用)
なんだか落ち着きが無いボブ船長
出港と同時に船内にて眠って過ごす
読書なんかしたら一発で酔うのでひたすら寝る
波はあまり高くなかったのであっという間の2時間
もう大丈夫だなと起きて下船する支度をしていたら
向かいに座ってたおじさんが「プシュ」と
缶ビールを飲み始めた
それを見て一気に酔ってしまった
粟国上陸5分前である
あああ全てがうまくいっていたのに
ロスタイムでやられてしまった
港に迎えに来てた親戚のおじさんにおばーの家まで送ってもらい
ボブをかごから出すと直ぐにおしっこをして水をガブ飲み
ボブは船酔いもなくいつもと変わらず元気
おばーはデイケアで4時まで家に帰ってこないので
仏壇に線香あげておじーに挨拶してから
お昼ご飯を食べたら酔いも治まってきたので
近くの海へ
家から徒歩5分「ウーグ」っていう所なんだけど
たぶんね竜宮城に繋がっているから「ウーグ」っていうんだよきっと
岩がゴツゴツして歩きにくいけど
海に入るとリーフとリーフの間にはたくさんの魚がいてとても奇麗
さっそく粟国の海水をテイスティング
自ら飛び込み泳いぐボブなかなかうまくなっている
僕も飛び込んでボブを頭に乗せて沖に向かい
僕でも足の届かない深い所で手を離すと
一目散に岸へと逃げ帰る
これを何回も繰り返してると
気がついたら10mくらいはお尻も浮かずに泳げるようになっていた
いいぞボブ
何時間でも泳げそうなボブとは違い
30分ぐらいでバテバテのオイラ
水温も少し冷たかったけど上がったらもっと寒かった
震えながらオラオラとお家に帰り
シャワーを浴びた後に飲んだビールが旨かった
広ーい青空の下で飲むビールは最高だ
みんなにも飲ましてあげたかったよ
島には信号機が一台
車が3台並んだら大渋滞のこの小さな村で
聞こえてくるのは風の音と波の音
ヤギの鳴き声と小鳥のさえずりに牛がモォーと返事をしてた
時間がゆったりと流れていた
夕方になっておばーがデイケアから帰って来て
一緒にご飯つくって7時頃にはもう晩ご飯
いろいろと体の調子や最近の出来事をおばーに聞くんだけれど
「最近膝の調子はどうねぇー」
「良くなってきているから早く結婚しなさい」
と
返ってくるのは
「早く結婚しなさい」
なのだ
死んだおじーはお酒が好きで
僕らが成人してからは遊びに行くと喜んで一緒に飲んだ
おじーは昔話もしたけれど苦労話なんかは一切せずに
笑いながらおばーの話ばかりしてた
「おばぁちゃん大好きですよ!これからも宜しくね」
と孫の目の前でのろけて見せた
昔船乗りだったおじーは口数も少なくて孫の僕たちにも厳しかった
TVもNHKばかりでドリフなんて見せてもらえなかった
歳をとってから丸くなったおじーはシラフの時でもおばーに対して
労いの言葉や感謝の言葉をちゃんと口にしてたので
特に驚きもしなかったけれど
おばーは恥ずかしいのか「おじーはアホになってるねー」と
何度も「おばぁちゃん好きですよ」と言う
おじーの口に天ぷらを2〜3本突っ込んで喋れないようにした
するとおじーは立ち上がって
腰に手を当て体をくねくねと腰を振りながら
天ぷらを食べ終えると
「おばぁちゃん♪おばぁちゃん♪」
とLOVE LOVE愛の舞を披露してみんなを笑わせていた
あの夜の事は一生忘れないだろうな
本当に楽しかったし僕もこんな歳のとり方をしたいなって
二人が羨ましかった
おじーもおばーも最高の人生のパートナーだったんだろうなぁ
だからおばーは「早く結婚しなさい!」って口酸っぱく言うんだろうなぁ
「ゴジュウヨン ゴジュウゴ ゴジュウロク ゴジュウシチ うーんもうやーめた」
庭に出て夜空を見上げながら無数にある星を全部数えてやろうとしたら
50を過ぎた辺りで眠くなったので諦めた
時計の針はまだ9時をまわったばかりだ
もうちょっと飲んでから寝ようとしたけど
島の時間にトローリとろけて犬のように布団にもぐった
二日目につづく...