えーとここをずーっと真っすぐ行くと大きな交差点があって
二人の気持ちが青に変わったら信号を渡りそのまままっすぐ進むと
結婚って大きな看板が正面に見えてくるから
その手前、ちょうど信号と結婚の間に結納ってあるから
真っすぐ行けば分かるから、とりあえず行けば分かるから
エクスキューズミー
ドゥユウノゥ?ユイノゥ?
THE・YUINOU
サカズキカワシテ、オクリモノシテ、カオアワセボンジュール
La.Yuinou
結納なんてさっぱり、分からないことだらけ
あったらいいのに「これで安心、初めての結納講座」
先日妹の結納に出席
兄貴を差し置いて先に行ってしまった妹よ
おめでとう
いい人みつけて良かったけれど
もう一人の妹、奈美平(なみへい)の事が心配だ
略式の結納でサクサクと式は進み
両家そろって写真撮影をして食事会へ
初めは静かだったうちの親父も酒が入り雲行きが怪しくなってきた
隣のテーブルに座ってた僕の背中の向こうでは
大きな声で上機嫌な親父の話が弾んでいるようで?弾んでいない?
どっかで聞いたような話だなと思ったら
昔
親父の行きつけの民謡スナックに連れて行かれた時も
同じような話をしてた
隣に座ってた僕は苦笑いで
くだらない話を止めさせようと
知らない民謡の曲を必死で歌ったり
親父の歌うカラオケにのせて
スナックのママと踊ったのだ
僕はなす術も無く
ママにクルクルクルクル舞わされてその場をしのいだ
まさか結納の顔合わせの席でも似たような話を。。。
会話にもT.P.Oっていうものがあるはずだ
そおいう話は飲み屋でやってくれよと
たぶんみんな苦笑いだったはずだ
僕は何度も助け舟を出そうかとも思ったけれど
これから親戚として永い付き合いになるのだからと
まぁいいかと舟は出さずに港に戻る
すると今度は娘婿のピアスがどうだこうだと
ぶーぶー言い出した
オノレの息子はピアスにロン毛だという事をすっかりと忘れているらしい
向こうのテーブルのうちの兄貴に期待したんだけど
兄貴もなかなかの天然&地雷を踏む男
撃沈
妹よ!すまん
こういった場所でオレがシャシャリ出るのもあまり良くないな
と思ってたんだけど(お婿さんの所の顔も立てないとダメかなと思ったりしたけど)
出るべき所では出ていかないといけないなと反省
あまりにも親父を自由に泳がしすぎてしまった
時既に遅し
宴もたけなわお開きに
まだまだ止まらない親父を横目に帰ろうかとしたら
「気の強い娘ですが、一生可愛がって下さいね。」
と新郎側の家族に何度も頭を下げて握手を交わしてた
「灰汁の強い山芋ですが、一緒に塗って痒がって下さいね。」
なんて事は多分一生かかっても言えないだろうけど
「一生可愛がって下さいね。」
なんて言うのも簡単じゃない
娘を嫁に出す父親や母親にしか言えない言葉だ
親父のくだらない話で終わりそうだった結納を
親父は「王手飛車取り」みたいな
「一生可愛がって下さい」という一言で乗り切った
そうとう嬉しかったんだろうね
あんな笑顔見た事無いよ
でも飲み過ぎは勘弁して欲しい
今日も朝から可愛がり散歩!
一人だけ結納に参加できずにすねるボブ
まぁまぁそうすねるなって!
いやいや全然すねてなんかいませんよ!
痒がっているだけですよ!